HATAKE KIT
食料について、最近は何でも手に入るし、自分で作らなくても何でも食べられる時代にある。しかし、その食べ物がどこで作られているのか、真剣に考えたことがあるだろうか。私たちは、食に対してもう少し丁寧であるべきなのではないだろうか。
まず、畑を食卓の高さまで持ち上げることによって、「生産の場」と「食の場」との間にある物理的な距離を近づける。すると、食の象徴である食卓と空間的なつながりが生まれる。生産の場である畑を自分の手で造り、その畑が自分の生活の距離に入り込んでくることで、起こるであろうさまざまな経験が、「生産の場」と「食の場」にある大きな距離を埋めてくれるはずだ。
自分たちの手で畑をつくることは、畑を耕し、食べ物を収穫して食べるまでのプロセスを経験することの始まりである。その経験とは、手を汚しながら、あれこれ悩み、畑を自分たちのちょうど良い高さや固さにしたりして、自分たちの生活に調和させることである。
H ATAKE KITを通して、このようにさまざまな経験をし、食に対して真摯に向き合っていくこと、それは人間と環境が良い関係で成り立つことにつながっていくと思う。







PROJECT OVERVIEW
物件名 : HATAKE KIT
サイト : –
所在地 : –
用途 : 体験型プロダクト
素材 : 土
発注者 : –
延床面積 : –
設計期間 : 2010年5月1日〜2011年12月1日
工事期間 : –
設計 : 青木大輔、樋口太郎
構造設計 : –
設備設計 : –
制作 : 青木大輔、樋口太郎
VI : 松林至英
写真 : 田村薫